2章 近年の風力発電技術 (改定)

2章  近年の風力発電技術

本章では、平成22年NEDO「再生可能エネルギー技術報告書」を参考にし、近年の風車の特徴を考えていきたい。

 まず、風力発電の風車は定格出力別に呼称が定義されている。定格出力が1kW未満を「マイクロ風車」、1kW~50kW未満を「小型風車」、50kW~500kW未満を「中型風車Ⅰ」、500kW~1000kW未満を「中型風車Ⅱ」、1000kW以上を「大型風車」とそれぞれ定義している。今日の日本では、風車の大型化や発電所の大規模化が近年進んでいる。その理由として、「発電コストの低減」というキーワードがあげられる。風車の大型化によって1機当たりの発電出力が増大するとともに、発電機の複数設置によってウインドファーム全体の出力が増大する事により、発電コストを低減する事が出来るからである。

 次に風車の形状について考えていきたい。風車は、大きく分けて3つの形状に分けられる。

 ①     プロペラの形によって「垂直軸型」と「水平軸型」に区別される。「垂直軸型」風車は、回転軸が風向きに対して垂直であり、風向きに対する依存性がなく、柔軟であるのが特徴である。主に、「垂直軸型」は総じて構造が複雑になり、その結果「大型のものは作り難く」、小型小発電用途に限られる傾向がある。しかし、小型の特徴を活かし、風速の強い「ビル」と「ビル」の間に置くなどで、発電効率を上げることも可能である。しかし、今日の日本では使われていないのが現状である。

 

 ②「水平軸型」風車は、プロペラの回転面が風上側に位置しているか、風下側に位置しているかによって、それぞれ「アップウィンド方式」と「ダウンウィンド方式」と呼ばれる。

 「アップウィンド方式」は、回転面が風上側に風の乱れによる影響を受けにくいため、大型の風車において主流となっている。一方、「ダウンウィンド方式」は、回転面が風下側に位置しているため、プロペラを風向きに合わせるヨー駆動装置が不要であり、小型風車への適用例が多い。

 本章では、様々なサイズ、形状の風車を記述してきた。我々が住んでいる日本で風力発電をさらに進めていく為には、設置場所の立地条件に適した風車選びが必要となり、さらに、風車の大型化、発電所の複数設置を推し進め、発電コストを低減させる必要がある。

参考文献 ・NEDO 再生可能エネルギー技術白書

       ・NBSI ホームページ URL  http://www.nbskk.co.jp/index.html

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