卒業研究 第二章②

②電力会社に対する政策

では次に原子力発電を広めるにあたって、国が電力会社に対して行った政策について考えていきたい。その中で重要な政策に「電気事業法」(1964年7月11日制定)が挙げられるだろう。この「電気事業法」とは、電気供給者の利益保護と電気事業の健全な発展という目的のために制定された電気事業規制の根本となる法律である。

なぜこの法律が重要かというと日本の電気料金はこの法律に基づき「総括原価方式」が採用されていたからである。「総括原価方式」とは発電・送電・電力販売にかかわるすべての費用を「総括原価」としてコストに反映させ、さらにその上に一定の報酬率を上乗せした金額が、電気の販売収入に等しくなるよう電気料金を決めるやりかたである。つまり電力会社を経営するのに掛かるすべての費用をコストに転嫁することができる上に、一定の利益率まで保証されている。なぜなら、戦後の荒廃の中、経済復興をはかるために公益性の高い電力事業を基幹産業として保護育成するためにとられた政策だからである。

このように電力会社は法律によって保護されることで多くの収益を得ている。そして電力会社を経営するのに掛かるすべての費用をコストに転嫁できるこの仕組みにより、原子力発電をつくればつくるほど儲かる仕組みに繋がっている。そのために原子力発電が瞬く間に増えることに繋がったのと考える。

 

<参考文献>

・『原発のウソ』 小出裕章 2011年6月1日初版

・電気事業法

http://100.yahoo.co.jp/detail/%E9%9B%BB%E6%B0%97%E4%BA%8B%E6%A5%AD%E6%B3%95/

・総括原価方式  http://minkara.carview.co.jp/userid/478945/blog/23212761/

・電気事業連合会

http://www.fepc.or.jp/about_us/pr/oshirase/__icsFiles/afieldfile/2012/02/03/press20120203.pdf#search

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