【書評】新しい扉を拓くナノファイバー

この本は第一章にナノファイバーへの流れ、第二章から第五章にわたってナノファイバーの製造技術、第六章はナノファイバーの用途展開、第七章ではナノファイバーの今後の展望についてまとめられている。

冬は軽くて薄く暖かい衣服、夏は吸・放湿性と速乾性に優れた衣服が求められるようになった。これらの消費者ニーズの変化に対応するための1つの手段として、細い繊維を用いることにより、衣料分野ではよりソフトな風合いや、軽量で感触の優れた素材の開発が進んだ。1970年頃から繊維径が5㎛を切るマイクロファイバー(極細繊維)が生まれた。このマイクロファイバーよりも細い繊維がナノファイバーである。ナノファイバーは、「1㎚から100㎚までの直径を有し、長さが直径の100倍以上」と定義された。ナノファイバーの製造技術であるフィラメント技術や不織布技術は可能な限り超極細のナノファイバーを作製するという概念であったのに対し、解繊技術は繊維を可能な限り超極細のナノファイバーに分割・細分化するという概念である。ナノファイバーは、その革新的な微小サイズの特質から従来の普通繊維やマイクロファイバーが使用されてきた分野に加え、特に高い機能性が求められるIT分野、バイオ分野、環境分野へのさらなる展開も期待されている。

新素材を学ぶためにこの本を選んだ。ナノファイバーは従来の繊維では入り込めなかった様々な分野で展開されつつあり、最先端技術であると学んだ。

2017年6月 八木健吉 繊維社企画出版

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