【書評】繊維のおはなし 天然繊維から機能性繊維まで

繊維は私たちの生活にはなくてはならない素材である。私たちが身に付けている衣服はもちろん、衣生活に限らず産業用としても多用されている。衣服として使用される繊維は、ファッション性を楽しむとともに私たちの身体を環境の変化から守るために繊維のもつ機能を活用している。また産業用としては、航空宇宙の分野から医療の分野へと利用範囲が大きく広がっている。繊維材料は麻、絹、綿などの天然繊維のように古くから衣服材料として使われ今なお愛されている材料がある一方で、先端技術の発展の中で誕生した材料がある。例えばインテリジェント繊維材料は事前に想定される温度、光、湿度などの環境の変化を素材が感知して、その素材の機能の特徴を現すものであり、環境の変化についての判断能力が備わった繊維材料である。
「将来、期待されるインテリジェント繊維としては、光/紫外線を感知し遮光変色する繊維(カーテン、健康衣料)、大きな音波を感知し音圧を吸収する繊維(カーテン、壁紙)、有機汚れを感知し清浄化する繊維(衣料一般)、体重の圧力分布を感知し接圧を調整する床ずれ防止用の繊維(ふとん)などがある。」

http://kigs.jp/db/kakusinhis.php?kno=8&sno=203

もともと化学繊維は高級な絹の代用品として開発されたが、現在は天然繊維の代わりとしてというよりも、衣料やインテリアのほか自動車、農業、土木などの様々な産業分野で使われていることを知った。本書で繊維の歴史について学ぶことができた。

1998年6月29日発行 上野和義、朝倉守、岩崎謙次 共著

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