2015/03/29 日本経済新聞 朝刊 21ページ
日本人になじみが深いタンポポも外来種が台頭している。欧州原産のセイヨウタンポポだ。明治初期に北海道で食用などに導入され、しだいに全国に広がった。見分けるには総苞(ほうそう)外片を調べる。これが下向きに反り返るのが外来種、上向きが在来種とされる。
ただ、在来種と外来種の雑種も多く、判別は難しい。タンポポの大規模な調査を行う大阪自然環境保全協会ではすべての花の花粉を顕微鏡で観察し、一部はDNA鑑定をして判定している。大阪府では、セイヨウタンポポなどの外来種(雑種含む)の全体に占める割合が1975年で36%だったのが増加を続け、2005年にはピークの70%に達した。14年の予備調査では67%と頭打ち状態となった。大規模な開発が減り、自然が回復してきた新興住宅街を中心に在来種が復活する傾向があるとみられている。
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