ウェルビーイングがビジネスの場で注目されつつある。ウェルビーイングとは身体的・精神的・社会的に良好な状態にあることを指し、「幸福」と訳されることも多い。少し前の日本企業には、企業経営において個人の幸せに直接触れることをタブー視する風潮があったが、心の豊かさを重視する社会が望ましいという価値観の強まりに伴い、従業員のウェルビーイング向上を目指す企業が増えてきた。また、転職が一般化し、強固な連帯感が失われた現在の企業にとって、人材を引き付ける求心力を発揮するには従業員が幸せを感じて働ける環境の整備が急務である。
ウェルビーイング経営の必要性(十字路)
(東レ経営研究所 エグゼクティブエコノミスト 増田 貴司)
022/05/11 日本経済新聞 夕刊 7ページ 736文字