作成者別アーカイブ: 田中 麻帆

書評『観光亡国論』

2020年東京オリンピックの開催が決定し、訪日外国人の数は2011年の622万人から右肩上がりで増加している。本書は、観光客が急激に増加したことによる「観光公害」の現象に対する筆者の危機意識を起点に世界の事例を盛り込み建設的な解決策を検討し述べたものである。 第一章「ティッピング・ポイント~「立国」が「亡国」になるとき~」では、観光産業のメリット・デメリットを日本の社会課題の解決策とバルセロナの観光公害の事例から説明し、今後観光を有益な産業にするためには、これまでとは違う方策が必要であると述べている。第二章「宿泊」では、民泊問題を取り上げ国による法律とローカルによる条例の使い分けを行い、その上で規制強化と規制緩和のバランスの重要性を述べている。第三章「オーバーキャパシティ」では、京都や富士山の観光公害を海外の事例から「総量規制」と「誘導対策」によるコントロール等の打開策を述べている。第四章「交通・公共工事」では、交通整備などの公共工事による景観破壊による観光公害について様々な事例を紹介しながら説明している。第五章「マナー」では、注意表示等を行う看板が観光地に氾濫し公害化していると述べている。第六章「文化」では、伝統文化を守る方法として2つの方法を挙げ、市民が誇りと理解をもって文化に向き合うことで、観光による活力を得て発展することができると述べている。第七章「理念」では、筆者とジャーナリストの清野氏の対話形式で意見を発展させ、観光亡国に陥らないためにどのような「理念」が必要となるか検討している。 今回、観光産業の発展に伴ってどのような社会問題が起きているのか知るためにこの本を読んだ。様々な事例を示しながら論が進められているため、具体的なイメージを持ちながら読み進めることができ、観光公害の深刻な問題を解決するためには海外の観光先進国の方策を学ぶことが大切であると思った。今後は、海外のインバウンド対策についても調べ日本と比較していきたい。 アレックス・カー、清野由美著 中央公論新社 2019年3月10日発行

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京葉銀行 HISと連携し観光支援

京葉銀行は、取引先企業の海外進出や訪日外国人向け観光事業の支援態勢を拡充する。HISと業務提携し、HISが15年から展開している「グローバルビジネスアドバンス」という海外ビジネス情報の調査サービスに海外進出を検討する県内の取引企業をつなぐほか、HISの世界157都市の拠点網を活用したインバウンド集客策を自治体などに提案する。観光活性化に取り組む政府系ファンドから専門家の派遣を受け、資金面でも支援する。 2018年11月29日 日本経済新聞

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各地で国際会議招致へ

8月中旬、2020年四月に開催される「国連犯罪防止・刑事司法会議」が、京都市で開催されることが決定した。訪日外国人客が2000万人を突破するなか、各地で国際会議を誘致する動きが広がっている。訪日客が伸びる一方で、消費額の伸びは鈍化しており、次の一手として国際会議や見本市といったMICEと呼ばれる分野が注目を集めている。MICEは、会議後の観光や帯同する家族などの消費も期待でき、京都市が実施した調査では、国際会議参加者の消費額は一般の外国人観光客の1.8倍に達するなど経済効果が大きい。国はインバウンド誘致の新たな柱に位置づけようと、オールジャパンで誘致に取り組む体制を作る。 2017年8月28日 日本経済新聞 21ページ

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群馬大 「観光日本語」普及に向け取り組み

群馬県内で定住外国人や訪日客向けの表示や情報の伝え方を見直す取り組みが群馬大学の主導で動き出した。同大は日本人と母語や育った社会が違う外国人に的確に情報を伝えるための日本語を「観光日本語」と定義し、10月から定期的に観光日本語のワークショップを開き、研究を進めている。取り組みを主導する群馬大の結城恵教授は「わかったつもり、伝えたつもりだと思っている言葉は意外に多い。外国人の目線で考えることで多くの気づきを得られた」と語り、2月にシンポジウムを開き成果を発表する考えだ。 2018年11月23日 日本経済新聞

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加古川市 五輪ツバル代表受け入れへ

加古川市は、ツバルから派遣される東京五輪代表選手の事前合宿地として名乗りをあげた。ツバル代表はリオデジャネイロ五輪で陸上選手1名出場し、東京五輪でも陸上競技での出場を目指している。4日に開会する市議会に誘致費200万円を盛り込んだ補正予算案を提出し、成立すれば国際陸上競技連盟の認証を得ている施設を視察してもらい、今年度内に基本合意にこぎつけたいとしている。担当者は、「市はごみ減量に取り組んでおり、誘致が実現すれば環境問題への関心がたかまるのでは」と期待している。 2018年12月1日 朝日新聞 29ページ

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九州 「近さ」でインバウンド増加

週末にちょっと出かけるような感覚で九州を繰り返し訪れる韓国人が増えている。九州のインバウンドの最大の特徴は、クルーズ客の多さである。17年度は494万人が九州に入国し、そのうち219万人が韓国人で、うち約160万人がクルーズ船で入国している。九州地方知事会は経済団体でつくった九州地域戦略会議で「九州丸ごと“インバウンド立国”宣言」を採択し、JR九州は中国アリババグループと訪日観光客誘致で提携すると発表した。東京―京都―大阪といったゴールデンルートから九州への誘客に官民で取り組む。 2018年11月28日 日本経済新聞

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青梅市 駅近くに観光拠点作る

まちつくり青梅は、市内を訪れる観光客向けの施設を設ける。JR青梅駅近くの店舗兼住宅を民泊やカフェが運営できる施設に改装、運営する共同事業者を募り、2018年度内の開業を目指す。新施設ではカフェ店頭に観光スポットのパンフレットをおいたり、観光スポットに行った後、本格的な飲食ができる店などをカフェの店員が紹介する。観光客を駅周辺に回遊させることが狙いで、青海市は中心市街地のにぎわい回復につなげたい考えだ。 2018年 11月28日 日本経済新聞

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凸版印刷 音声翻訳システム拡販

凸版印刷は、6月に提供を始めた音声翻訳サービス「VoiceBiz(ボイスビズ)」を拡販する。「VoiceBiz」は、スマートフォンやタブレット用の専用アプリを通じて、音声やテキストを入力すると30か国語の中から選択した言語に自動で翻訳する仕組みとなっており、地方自治体の役所での手続きや観光案内などの利用を想定している。今年4月には日本郵便が訪日客や在留外国人向け窓口サービスの接客向上に向けて全国の郵便局にサービスを導入したほか、数か所の自治体に提供しているが、凸版印刷は20年度までに約300自治体まで拡大する計画だ。 2018年11月6日 日本産業新聞 5ページ

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鉄道各社 多言語対応進める

外国人客の急増を受け、九州などの鉄道会社が多言語対応を進めている。福岡市営地下鉄は10月から、博多駅に「駅コンシェルジュ」を導入した。英会話のできるスタッフが切符売り場前に立ち、運行情報の案内にあたる。またJR九州では、今年度から窓口の職員や在来線の乗務員に、翻訳アプリが入ったタブレット型端末を持たせている。市交通局の担当者は「東京五輪に加え、九州は19年にラグビーW杯、21年に世界水泳も控える。訪日客対策の強化が欠かせない。」と話している。東京五輪やラグビーW杯を見据え、きめ細やかなサービスを競っている。 2018年10月11日 朝日新聞 33ページ

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アリペイ、国慶節で利用件数増加

中国・アリババ集団の金融子会社であるアント・フィナンシャルの電子決済サービス「支付宝(アリペイ)」の日本での利用件数が、10月1~7日(国慶節)に前年より8割増えたことが分かった。アリペイは、スマートフォンを使った決済サービスで、日本では消費者が画面に提示したQRコードを店側が端末で読み取るのが主流だ。台風や地震の影響で訪日外国人の減少が懸念されたが、中国の電子決済に応じる店舗の増加もあり、関西の道頓堀エリアでは取引総額が4.5倍に拡大した。アリペイはJR九州と戦略的提携を結ぶなど、決済インフラの整備が進んでいる。 2018年10月24日 日経MJ 11面

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