【卒論】日産とルノー

1999年3月27日にフランスの自動車メーカーのルノーは、日本の自動車メーカーである日産自動車と資本提携し、事実上の傘下に収めることを発表した。
日産は1980年代に「90年代までに技術世界一を目指す」という名の下、全車種を対象に評価基準の大幅な底上げに力を注いだ「901活動」がおこなわれ、この活動は日本車の技術向上に貢献したことで評価されている。また、バブル景気の影響もあり、日産は存在感を示していた。しかし、段々とデザイン面や商品面での評価が低くなり、バブル景気の崩壊も重なり、日産は経営危機に陥ってしまう。技術面に力を注ぎ、マーケティングや販売戦略にそれほど力を注いでいなかったことが原因のひとつだと考えられる。1998年には、2兆円あまりの負債を抱えていた。
ルノーは、ヨーロッパ市場はもとより世界市場で競争力をつけるため、経営不振に陥っていた日産自動車に目をつけ、1999年に資本提携をした。カルロス・ゴーン氏(当時ルノー副社長)をはじめルノーが経営陣を日産に送り込み、1999年10月に発表された「日産リバイバルプラン」計画のもと、東京・武蔵村山にある村山工場や、京都・宇治の日産車体京都工場などの余剰な生産拠点の閉鎖や余剰資産の売却、余剰人員の削減を行った。また、子会社の統廃合や取引先の統合によるコスト削減や、車種ラインナップの見直し、販売網の再構築などの大幅なテコ入れを敢行した。最終的には提携前の1998年にあった日産自動車の負債を2003年6月に返済し終え、再建を成し遂げた。ゴーン氏は現在も続く両者の関係を「国際アライアンスの成功事例」と自負している。
日本の技術力のある会社が、海外企業のマーケティング力や大胆なコストカットにより、復活を遂げた例として挙げた。最近のニュースでは、ルノーが日産を吸収合併するのでは、という話もあり、今後の両者の動きにも注目したい。

http://management-strategy.net/NISSAN/

経営戦略大辞典2018年10月23日アクセス

https://www.renault.jp/about/history.html

Renault Japon:ルノーの歴史 2018年10月23日アクセス

http://www.nissan.co.jp/NRP/NEWS/news-j.html

日産自動車ニュースリリース「日産リバイバルプラン」 2018年10月23日アクセス

https://diamond.jp/articles/-/170320

日産はルノーに「吸収合併」されてしまうのか
文:佃 義夫 2018年10月23日アクセス

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