1章 日本における風力発電のポテンシャル

 1章      日本における風力発電のポテンシャル

 本章では、今日様々なデータが存在する中、平成22年環境省「再生可能エネルギー導入ポテンシャル調査報告書」をもとにし、洋上・陸上風力発電の「賦存量」、「導入ポテンシャル」、「シナリオ別導入可能量」について考えていきたい。「賦存量」とは、設置可能面積や平均風速等から理論的に算出できるエネルギー資源量。現在の技術水準では利用する事が困難なものは除いて、種々の制約要因(土地の傾斜、居住地からの距離)を考慮しないものである。「賦存量」は90億kW(洋上77、陸上13)と推計される。これは、千葉県の全世帯を1年間賄える発電量である。「賦存量」にエネルギーの採取・利用に関する種々の制約要因による設置の可否を考慮したエネルギー資源量が、「導入ポテンシャル」である。

「導入ポテンシャル」は、18.8億kW(洋上16、陸上2.8)と推計されている。「シナリオ別導入可能量」は、導入ポテンシャルをベースとし、建設単価等を仮定したうえで事業収支シミュレーションを行い、プロジェクト内部収益率(PIRR)が8.0%以上になるものを集計したものである。その中で「基本シナリオ1」、現状のコストレベルを前提として、「電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法案(FIT法案)」において想定される買取価格で買取が行われる場合。「基本シナリオ2」、技術革新が進んで、設備コスト等が大幅に縮減し、シナリオ1が維持される場合では、それぞれ発電量は、1.4憶kW、4.1億kWである。私自身は、風力発電に対してもっと多くの発電量を期待していたのだが、様々な制約要因を考慮していくと、わずかな電力しか発電できないというポテンシャルであった。

参考文献 ・平成22年環境省「再生可能エネルギー導入ポテンシャル調査報告書」

       ・JWPA News 風力発電の賦存量とポテンシャル

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