2018年春、青森県六戸町は、2004年1月から導入していた電子投票を休止すると発表した。電子投票には、無効票を減らせることや開票作業の圧倒的な効率化などの利点があるが、コストが高いことによる弊害が大きくある。今回六戸町が休止に至ったのもコストの問題からである。総務省によると、2004年までに10市町村が電子投票を導入したものの、多くは試験的な運用にとどまり、自治体数が広がらないまま撤退が進んだという。全国で最多の電子投票を行った六戸町も、手書きでの投票に戻すが、電子投票条例自体は廃止せずに休止という形にとどめた。総務省は2017年12月、情報通信技術を活用した投票環境の向上をテーマに研究会を設け、夏には提言をまとめる見通しだ。
日本経済新聞 5月14日21面