書評「ゲノム解析は私の世界をどう変えるのか」

本書は「ジーンクエスト」という会社を起業しゲノム解析サービスを提供している筆者がテクノロジーを活用するには流れを理解することが大事であるということを様々なテクノロジーを例にあげながら論じている。
1990年からヒトゲノム計画が始まり、2003年にヒトのゲノムの全塩基配列が明らかになり計画が終了した。13年と約3500億円をかけ1人のゲノムを調べることができた。対して、2017年の現在は2週間と10万円を用意すれば調べることができる。このことから、テクノロジーは急激に進歩していることがわかる。一方、社会は一定のスピードでしかテクノロジーを理解できず、また社会はテクノロジーについて議論するため、さらに時間がかかる。このようにして、テクノロジーと社会にギャップが生まれる。この問題を解決するために筆者は流れをみて、将来の先回りをすることが大事であると指摘している。つまり、現在のデメリットだけでなく、過去どうであったか、そして未来のメリットを考え議論することが重要であると述べている。
ゲノム解析だけでは分からないことがあると知ったので、他の技術にも目を向けるべきであると感じた。流れは自分ではあまり意識していなかった視点であったため考え方の参考になった。

高橋祥子著 2017年9月
ディスカヴァー・トゥエンティワン

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