特定非営利活動法人ケア・センターやわらぎ

1980年当時、24時間345日の在宅介護サービスに対するニーズはあるものの、行政側は取り組んでいなかった。また、提供していた在宅介護サービスの内容についても、適切な記録化が行われていなかったり、介護を担当する個人間で差があるため、十分に標準化がなされていなかったという課題があった。そういった課題を解決するため、創業者の石川治江は24時間365日の在宅介護サービスを始め、標準化を徹底した。

 

<介護サービスの標準化>

1980年代当時、介護サービスがまだあまり浸透していなかったこともあり、利用者、ケア・ワーカー共々仕事内容を明確に把握していなかった。また、利用者はボランティアでなく、プロの介護が受けたいとの要望もあり、仕事内容のマニュアルを作成した。なお、そのマニュアルにはケア・ワーカーが何を何時間行ったのかというケアの内容を記録するようになっており、ケア・ワーカーも自身の仕事の把握が可能になった。また、給与計算もその記録からインターネット上で計算する仕組みとなっている。

 

<ビジネスモデル>

ケア・センターやわらぎでは本部とコーディネーターと、登録制のケア・ワーカーが働いてある。創業当時、介護サービスでの提供で得た収入のすべてをケア・ワーカー支払っていたため、事業運営費は会員からの会費や自治体からの助成金で賄っていた。また、コーディネーターの仕事はほぼボランティアであった。そこで、別個に社会福祉法人「にんじんの会」を設立し、市から事業委託という形で介護サービスを再スタートさせ、事業委託収入をえられることになった。また、2000年に介護保険サービス事業者の認定を受け、同年の介護保険法の施行により、介護保険収入も得られるようになった。

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引用元:編著 谷本寛治 『ソーシャル・ビジネス・ケース ~少子高齢化時代のソーシャルイノベーション』 2015年3月 中央経済社

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