ランサーズ、中小企業に照準を

クラウドソーシング大手のランサーズが新たな収益源を模索している。かつて主力だった大企業向けサービスは新型コロナウイルス禍で需要が縮小し、事業撤退を決めた。足元の株価は上場来高値に比べ8割ほど安い。投資家の期待を取り戻すには、改めて注力する中小企業向けサービスの成長が急務になる。ランサーズは2008年に創業し、インターネット上で仕事の受発注を仲介するクラウドソーシングの草分けとして知られる。運営サイトでは登録人材を実名で紹介し、実績や過去の仕事ぶりに基づいて信頼度を4段階で表示する仕組みを取り入れた。ネットで安心して業務を外注できる点が受け、中小企業を中心に需要を取り込んだ。2014年には大企業から営業やプログラミングといった業務を請け負い、必要な人員を一括で集めるサービスを始めた。これが2019年3月期には売上高全体の約4割を稼ぐ主力事業に成長した。しかし、コロナ禍で大企業向けサービスは顧客企業の業績悪化で新規受注が減った。業績回復に向け、手は打ち始めている。コロナ禍でもデジタル化需要が旺盛な中小企業向けサービスを充実させる方針で、まずは2022年6月にデジタル人材の養成事業を始めた。デジタル広告や電子商取引(EC)サイトの運営などを学べる講座を動画で提供し、受講後は案件も紹介する。

ランサーズ――中小企業に再び照準(上場後のリアル)

2022/09/21 日本経済新聞 朝刊 13ページ

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