広がる格差、教育機会の不平等

福沢諭吉が「門閥制度は親の敵(かたき)」と訴えたように、日本の近代教育は身分に関係なく有為な人材を育てる目的で始まった。現在、学校は格差構造を再生産する装置になっている。東大学生の54%は年収950万円超の家庭出身だ。子どもの貧困率が約3割の沖縄で学力向上を主導した諸見里明・元県教育長は「家庭環境の差を埋めるのは簡単でない」と語る。似た環境で育った「エリート」だけでは複雑化する社会のかじ取りは難しい。格差を研究する橋本健二・早稲田大教授は「弱者の側で物事を考えられる人材を育てなければならない」と話す。

揺らぐ人材立国(4)「合格歴競争」格差を再生産 難関突破、親の経済力次第(教育岩盤)

2022/05/05 日本経済新聞 朝刊1ページ 1262文字

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