書評 移民亡国論

本書は筆者が外国人労働者を受け入れるのではなく、実質賃金を引き上げでデフレ脱却するべきだとして、外国人労働者に頼りすぎるがために起こる問題を他国の具体例を述べながら解決策を示唆している。

第一章「移民問題で大混乱する世界」では日本は自然国家であるがためアメリカのような人工国家とは違い移民受け入れには向いていないことを述べている。また移民が多くいる中国やスウェーデンで起こる問題を述べている。

第二章「移民政策を世界に広めるグローバリズムの罠」では

中国の同化政策によりウイグルが洗国し、ドイツは労働者の流入により実質賃金の低下などグローバリズムによる問題を述べている。また筆者は日本の安倍政権のグローバリズムとしての法人税引き下げや労働規制の緩和について否定している。

第三章「外国人労働者と日本の安全保障」では自然災害大国の我が国において、安全保障のために土木建設業務で外国人労働者の受け入れを拡大をするのは危険であると述べている。また技術の継承も簡単には出来なくなり、自国のことを自国民で守ることができなくなると不安視している。

第四章「移民政策で日本の治安はこう変わる」ではアメリカとメキシコの麻薬関係や、スウェーデンのローゼンゴード地区の集住化などの例を挙げて、日本でも学力低下や、社会保険の不正など多文化共生主義を危険視している。

第五章「日本が日本でなくなる日」では外国人移民を毎年20万人受け入れ論をベースにすると、出生率のことも考えると100年後には日本人は少数派になってウイグルやチベットと同じ運命を辿ると述べている。また設備投資と生産性向上により経済成長はするし、実質賃金を引き下げ外国人労働者を受け入れるより、経済を豊かにして結婚や中絶を防ぐことに資金を使った方が良いと述べている。

私は外国人労働者の受け入れによるデメリットについても知りたいと思いこの本を選んだ。その点については、その国の中で移民たち特有のコミュニティを形成してしまい治安が悪くなることや、実際にスウェーデンではその問題が顕著にあわられてること、そして台湾と中国では言語の壁がないため職を失うケースが多いことがわかった。またその外国人労働者の受け入れについて、生産年齢人口のうち働けるにも関わらず働けないニートを支援することや、結婚や中絶防止をすることを経済発展で促すことで対策できる可能性もあることがわかった。今後は外国人労働者にデメリットを上回るメリットを探して行きたいと思う。

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