書評『キャッシュレスで得する!お金の新常識』

本書は、日本と世界で起こっているキャッシュレス化の流れをわかりやすく解説し、キャッシュレス化が進むことでどんなメリットがあるのかということについて述べられている。第1章から第7章までで構成されている。
第1章「まだ財布なんて持ち歩いているの?!」では、神社や競馬場など、意外な場所でもキャッシュレス決済が導入されていることや、今注目されているQRコード決済についての仕組みが説明されている。
第2章「キャッシュレス後進国・日本にも大きな変化が」では、2020年のオリンピックに向けて政府主導でキャッシュレス化が推し進められている一方で、借金を嫌う日本人の国民性について述べられている。また、西と東、都会と地方でキャッシュレスについての考え方にかなり違いが出ていることも述べられている。
第3章「ここまで進んでいる!世界のキャッシュレス最前線」では、スマホ決済が進んでいる中国や法定デジタル通貨を発行しているスウェーデンなど、キャッシュレス化が進んでいる国の事例が紹介されている。
第4章「キャッシュレスの先導役を果たしたクレジットカード」では、VISAやマスターカードなどのクレジットカードの巨大国際ブランドの誕生や、日本とアメリカのクレジットカードの違いについて述べられている。
第5章「キャッシュレス時代の覇を競うポイントサービス大戦争」では、あまりキャッシュレス化が進んでいない日本で、消費者に現金よりキャッシュレス決済を選んでもらうためにはポイントサービスが必要不可欠であり、各業者がポイント還元率の高さで競いあっているということが述べられている。
第6章「新たな主役、電子マネーとスマホ決済を賢く使いこなす」では、今まで主流だったクレジットカード以外にも電子マネーやスマホ決済が登場している中で、自分に合った「クレカ+電子マネー+ポイントカード」を選び使いこなすことで相乗効果が得られるということを筆者は主張している。
第7章「フィンテックが切り開くキャッシュレスの新平地」では、スマホ決済サービス、仮想通貨、家計簿アプリ、融資のフィンテックが生み出す4つの新サービスが紹介されている。
本書を通じて、日本のキャッシュレス化がどのように始まり、進化していったのかをよく理解することができた。また、借金を嫌う日本人にキャッシュレス決済に馴染んでもらうためにはポイントサービスに重きをおき、宣伝していく必要があることがわかった。
特にクレジットカードや電子マネーなど、様々な決済手段を使いこなすことでポイントをお得に得られるという発想は自分にはなかったので、とても参考になる一冊であった。

岩田昭男 著 青春出版社 発行 2018年

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