牛込、卒論

第3章 最後に
第1章ではスポーツツーリズムの基本構造、現状を述べ、第2章ではスポーツツーリズムの先進事例を紹介した。
スポーツツーリズムは、スポーツイベントを行う団体だけではなく、行政、輸送機関、周辺施設など様々な立場の人々の協働のもとに成り立っている。また、これらの人々を結びつけ観光として人を動かす仕組みづくりを推進していくための組織としてスポーツコミッションが存在し、全国で設立が進められている。
ケーススタディでは新潟県佐渡市の既存のスポーツイベントからツーリズムに発展させた例、沖縄県国頭郡東村の既存の観光資源を活用するためにスポーツを取り入れた例、埼玉県さいたま市の観光資源に乏しい地域が大規模スポーツイベントを活用した例、宮城県仙台市のプロスポーツとの官民一体で地方活性化を推進した例の4つの事例を紹介した。この4つの例から、スポーツツーリズムはスポーツコミッションなどの推進組織を主体として異なる事情、背景、強みを持った地域で多様に活用されていることが分かった。
以上のように、スポーツツーリズムには既存の観光資源に付加価値を与えたり、スポーツイベントに新しい魅力を見出したりすることができる力があり、これからますます拡大して行く必要がある。
これからの拡大可能性として、私は山岳地帯でのスポーツツーリズムの活用が期待できると考える。1章で述べたように、日本は国土の67%が森林で構成されており、複雑な地形や険しい山岳地帯も多く存在する。これらは日常生活においてはデメリットとされてきたが、スポーツにおいては資源となり得るものであり、近年ではヒルクライムレースやトレイルランニングなど、困難を克服し成長していくことを楽しみとする耐久性スポーツが広まりを見せ、各地で大会が開催されている。観光インフラの整備など取り組むべき課題はあるが、これをただスポーツの大会で終わらせるのではなく観光と結びつける好機と捉え、スポーツコミッションを主体にスポーツツーリズムとして推進することができれば山岳地帯に新たな魅力を生み出すことができる。
まだ歴史の浅い産業ではあるが、今後の日本の観光立国推進のための一助としてのスポーツツーリズムのさらなる活用に期待したい。

今後の予定
12/5 2.3章加筆修正、1章-1
12/12 1章-2.3指導
12/19 細部修正、提出

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