過疎・高齢化 仏像守れない

2015/06/03 朝日新聞 3ページ
文化庁によると、仏像などの盗難が各地で相次ぐことを受けて実施した初の調査で、2007年~09年度に全国で少なくとも105件の被害があった。ほとんどが文化財に未指定のもの。人の目が及びにくい過疎地に多い。「盗まれたのは、文化を維持する地域の力がやせ細った結果でもある」。和歌山県立博物館の大河内智之学芸員は指摘する。
住民の過疎・高齢化や檀家の減少などで維持困難になったり、盗難への心配から博物館に寄託・寄贈された仏像は、95年以降の20年間で164点にのぼる。収蔵庫はすでに満杯だ。
京都大大学院の根立研介教授(日本彫刻史)は「緊急避難的に預かる施設を行政が造ることも解決策。定年退職者らボランティアに寺やお堂を見守ってもらうなど、仏像を地域で守る仕組みを築くことも大切だ」と指摘する。

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