卒論7

『Epic games vs Apple.google』
この戦いは2020年8月13日、莫大な販売手数料に不満があった「Epic Games」は、自身が開発する大人気ゲーム「FORTNITE」内での課金システムにおいて、独自の課金システムを導入したことで始まる。この課金システムは「App Store」や「Google Play」を経由せずに比較的安価(手数料が約30%→12%となり、その分価格が押さえられる)に課金できるシステムである。同日、「Apple」と「Google」は「App Store」と「Google Play」において、ガイドライン違反で「FORTNITE」を削除した。翌日、「Epic Games」は「Apple」と「Google Play」に対して独占禁止法違反で訴訟を起こしたのである。
Epic GamesはApp Storeでの取引にかかる30%の手数料と、支払いオプションについて外部のサービスを選択できないことついて不当であるとした。

2021年9月10日、訴訟についてはEpic Games側が形式的には勝訴した。Epic Gamesが主張していた決済における独占という要素に対して、Apple側に永久的差止命令で新たな制限を課した。

App Storeへの新たな制限とは、App Store登録アプリに、App Store以外での支払いオプションにユーザーを誘導する権利を与えるというものだ。現在、App Store内ではAppleの決済サービスのみが使用できる、あるいはそれ以外のサービスの使用を誘導することを禁止しているがこれが緩和された。Epic Gamesのアプリに限らず、SpotifyやNetflixなどは既に、アプリのダウンロードをApp Store上で行い、課金は自社サイト上で行うよう誘導している。

裁判所は,Appleを独占企業とは分類せず,短期的には独占企業になる可能性があることを示唆したものの,不正または違法な手段でここまでの規模になったとは認めなかった。また,裁判所は,iOSをサードパーティ製アプリのマーケットプレイスに開放するよう要求したり,App StoreにFortniteを復活させるよう命じたりしなかった。しかし,Appleがユーザーを外部の決済システムに誘導することを制限していることは反競争的であり,変更しなければならないことは認めた。

また、App Storeの手数料30%についてはメスが入らず据え置きの形となった。これにたいして、Epic Games側は「不満である」として、控訴の意思を示しており、米国の35州のほかMicrosoftや電子フロンティア財団などの組織が指示を表明している。

以上が、ゲームにおけるプラットフォームにおいて、独占的であることが問題に発展したケースだ。

CSゲーム、PCゲーム、モバイルゲームとそれぞれのプラットフォームを見てきたが、特にモバイルゲーム市場においては、プラットフォーマーと開発者の問題が顕在化している。

要因の1つとして、現在の市場規模が考えられるだろう。
モバイルゲームは世界のゲーム市場において大きな割合を占めている。
2021年の世界のゲーム市場においては約52%(約12兆円)、日本国内で見ると市場の約70%(約1.4兆円)となっており、今やゲーム市場を語る上で無視できない存在だ。(ファミ通ゲーム白書2022 角川より)
他のゲームコンテンツよりも圧倒的な市場規模は、ビジネスの上で強力な土壌であり、各ソフト開発会社が目を向けるのは当然である。
だからこそ、ビジネスをする上で障壁となる手数料などの条件が邪魔に見えるのだろうと考える。

そして、これからの成長への期待も要因であると考える。
前述した通り、イギリスの市場調査会社大手のGlobal Data社2027年には市場規模は2倍になると予想されており、問題が顕在化していることはその期待感からの警鐘といえる。

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