「アメーバ経営」と「フィソロフィ」

京セラ、第二電電(現KDDI)の創業者で、日本航空(JAL)を再建した稲盛和夫(享年90)が8月24日亡くなった。

稲盛は、会社を小さなグループに分け、そのリーダーに収益責任を負わせる「アメーバ経営」の骨格を考案した人物である。「自走する組織」作りに成功した稲盛は、ベンチャー企業の創業者から強く支持されていた。ベンチャー企業は「偉大な創業者」に率いられて成長し、「創業者がいないと動かない」組織になりがちだからだ。

稲盛の優れていた点は、「フィロソフィ(哲学)」の考えにある。生前のインタビューで、「資本主義は人間の獣性を解き放ち成長の原動力とする制度である。人々は数字の魔力に勝つことができない。競争相手を貶め、仲間の足を引っ張る会社は長続きしない。自分たちが頑張るのは、世のため人のため、仲間を助けるためである。それをしてはじめて良い人生が送れる。」と述べていた。

永守重信、柳井正、孫正義が苦戦|稲盛和夫が遺した「自走」する組織作りの真骨頂

2022,9.5大西康之 新潮社foresight 5968字

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