高齢者とIT 事例-2

ITを活用した高齢者サービスの事例②:世代間同居のためのマッチングサイト「nesterly」
 空き部屋を貸し出したい高齢者と学生をつなぐP2P型のオンラインプラットフォーム。空き部屋の貸し借りと家事や雑務などの代行とを合わせてマッチングさせようとしている点が特徴で、貸主は空き部屋の情報以外に食材の買い出しや庭の手入れなど、賃料を減らす代わりに借主にやってほしいお手伝いがあればそれも合わせて投稿する仕組みだ。借主は場所や賃料をもとに空き部屋の情報を検索する。マッチングした貸主と借主は「nesterly」のチャット機能で直接コンタクトし、共同生活をスタートさせることができる。
 「nesterly」が創設された米国では日本と同じく高齢化が進んでおり、こうした高齢者と若者とが互いに助け合う世代間同居がより広がっていきそうだ。

https://www.nesterly.io/

高齢者向けIT機器の事例②:ペットのような愛されロボット「LOVOT(らぼっと)」
 2018年12月にロボットベンチャーのGROOVE Xが発表したロボット。LOVOTは、産業用ロボットなどとは違い利便性を提供するロボットではなく、「そこにいるだけで人を幸せにする」というコンセプトのもと開発された家族型ロボットだ。特徴としては、触り心地が柔らかかったり、30~40度ほどの体温を保っていたりと、ロボットなのにペットのような生体感がある。他にも、体に無数のセンサーが付いていて、人の動きを認識して後ろからついてきたり、人とのかかわり方次第で性格が変化したりと、愛着がわくように作られている。
 本体価格は1体29万9800円と少し高いが、高齢者の認知症予防やQOL(Quality of Life)の向上には間違いなく貢献するロボットと言えるだろう。

https://lovot.life/

その他の事例:高齢者専用VRプラットフォーム「Rendever」
 高齢者のうつ病や認知活動の低下を解決すべく立ち上げられたMIT発のVRプラットフォーム。体が思うように動かず気持ちが内向的になりがちな高齢者でも、部屋にいながら世界を旅したり、芸術鑑賞をしたりできる。
 Rendeverが重点を置くのは、複数人で体験を共有できるという部分で、これによりコミュニケーションが生まれて認知機能が活性化する。実際に同社の測定では、VR体験をした高齢者はうつ病や社会的孤立の訴えが低下し、幸福感が増すことが分かった。
 Rendeverはデバイスの貸し出しを含めたサブスクリプション制をとっており、コンテンツにはスキューバダイビングやハイキングといったアクティビティから、世界各地の旅行などが含まれる。また、パーソナルなコンテンツも提供しており、家に帰りたいと訴えていた女性は、VRで家に帰ることができて涙を流して喜んだという。
 VR技術は若者だけでなく、高齢者にこそ利用されるべきであるということをRendeverは示している。

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