ITを活用した高齢者サービスの事例:アメリカの異世代交流アプリ「Papa」
「Grandkids On-Demand(必要な時に孫を)」を掲げる同サービスは、“大学生と高齢者とをマッチングするサービス”だ。マッチングが成立した大学生は、スーパーへの買い物や病院の予約、家事手伝い、スマホの設定まで、生活のあらゆる側面をサポートする。
シニアがPapaのアプリに登録すると、Papaは同じく登録済みの大学生をシニア宅に派遣する。学生は車でシニアを医者まで送ったり、店に一緒に買い物に行ったり、家事やペットの世話をしたり、パソコン機器操作などを補助したり、話し相手になったりすることで報酬を受け取る。現在、300人の大学生がPapaに登録しているという。
Papaは現在、フロリダ州の9都市で事業を展開しているが、需要が大きく伸びているため、来年初頭にはアメリカの8州でもサービスを開始する予定だ。
Papaは、高齢者が抱く孤独感と、日常のちょっとしたときに「頼れる人がいない」という状況をともに解消してくれるマッチングサービスである。
https://www.joinpapa.com/
https://ideasforgood.jp/2018/10/10/papa-app/
高齢者向けIT機器の事例:箱型デバイス「KOMP」
ノルウェーのNo Isolationという企業が販売している箱型の高齢者向けデバイス。インターフェイスはダイアルだけで、ダイヤルを回せばONとOFFの切り替えができる。普段は電源をONにすると家族からの写真が表示されるが、電話がかかってくると、ディスプレイに通知が表示されて何もしなくてもビデオ電話が始まる。
昔のラジオやテレビのような見た目をしていて、高齢者向けスマートフォンなどとは違ったなじみやすさがある。部屋の隅に置いておくだけで、写真が流れたり家族からの電話がかかってきたりするので、「どうせ使わない」という風にテクノロジーに対して懐疑的なシニア世代にも使ってもらいやすい。
KOMPは、こうした「違和感のない」デザインとインターフェイスによって、高齢者の孤独を生まないデバイスとなっている。
https://wired.jp/2019/05/04/phones-for-seniors-retro-video-phone/