メタンハイドレート

昨年発生した東日本大震災による福島原発事故による放射能被害により脱原発へ向かう中、原子力に代わる新しいエネルギーの1つとしてメタンハイドレートが注目されている。
メタンハイドレートとは、メタン分子が水分子と結びつき結晶化した状態の物質であり、可燃性のメタンガスで資源としては天然ガスに分類される。陸上では、北極、南極などの永久凍土、海底では水深500m以上の高圧、低温の条件を満たす環境下に存在している。
日本近海には、天然ガス消費量の100年分が埋蔵されているとし、将来の国産エネルギー資源として期待されている。
しかし、水深500メートル以上の海底からさらに数百メートル下の地層中にあり、 固体として存在しているため、単に井戸を掘るだけでは自噴せず、 非在来型天然ガスの中で最も採掘が難しいとされている。そのため生産コストが高くなるため、商業化への大きなハードルとなっている。そして、バミューダトライアングルや、北海道南西沖地震での火災などが、メタンハイドレートが気化したメタンガスが原因であるとする説もある。また、石油石炭と比べて二酸化炭素排出量が少なくクリーンなエネルギーである一方、メタンガスは温室効果ガスでもあるので、気体のまま空気中に散布された場合、地球温暖化に拍車がかかるとも言われている。
日本の開発計画は、2001年に経済産業省が発表した開発計画に沿って行われ、これまでに多額の研究費を投じて研究している。
開発計画は、フェーズ1では、探査技術の推進、基礎的研究、カナダでの陸上産出試験、産出試験を行う場所の策定などが行われ、フェーズ2ではさらなる研究の推進、日本近海での海洋算出試験、フェーズ3では商業産出のための技術整備、経済性、環境の影響などの評価が実施される予定となっている。
今年には愛知県沖での採掘に成功し、ますます商業化に向けた研究が進むなど、まだクリアすべき問題は多いが、資源の乏しい日本にとって大きな希望となるえるので、今後のさらなる研究に期待したい。

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