アーパド・パズダイ教授
英ロウェット研究所のパズダイ教授は、1998年にマスコミを通じ、害虫を寄せ付けないように遺伝子を組み換えたジャガイモを食べたラットに、発育不全と免疫力の低下がみられた、と発表した。遺伝子組み換え作物の安全性確認を訴えた。そして、チェールズ皇太子をも巻き込む遺伝子組み換え作物に対する反対運動を引き起こした。 パズダイ教授はラット5匹を使い、人間なら10年に相当する110日間をかけたとしていたが、同研究所の責任者は「実験はデータを比較し結果を出せるほど完全ではなかった」と批判し、「彼は年をとりすぎている」とも指摘した。実験結果の発表後には、遺伝子組み換えを研究する企業や学者から、非難や問い合わせが殺到していたという。 パズダイ教授自身は同研究所からこの問題に関し発言を禁じられており、釈明していない。 その後、米国、カナダ、英国、ノルウェー、インド、エチオピアなどの科学者14名は、連名で、遺伝子組み換え作物の栽培及び特許の禁止を求める世界科学者声明を発表しました。 この声明には、英国での遺伝子組み換え食品論争の契機となったら遺伝子組み換えジャガイモのネズミへの影響についての研究を発表したパズダイ教授も加わっています。 この声明は、遺伝子組み換え作物の健康や環境への悪影響の危険性を指摘し、一時的禁止措置と、遺伝子に関する特許の禁止を求めています。 遺伝子組み換え作物の環境への放出に対して、科学者として危険性を指摘したものであり、より一層の研究の重要性を指摘しています。 |