スターリンク事件


☆遺伝子組み換え食品と従来の品種の違い

☆遺伝子組み換え食品の流通

☆遺伝子組み換え納豆

☆リスクとは・・・

☆トリプトファン事件

☆パズダイ教授

☆スターリンク事件

☆遺伝子組換え食品に対する賛成意見・ 反対意見

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☆まとめ

スターリンク(StarLink)は、ドイツの農薬企業アベンテイスが家畜の飼料用として販売していた遺伝子組み換え(GM)トウモロコシの商品名である。このトウモロコシは、遺伝子組み換えによってバクテリアが生産する殺虫性タンパクを発現するので、殺虫剤散布を通常より減らすことができる(このタンパクは全ての虫に効くわけではない)。このように殺虫性タンパクを発現するトウモロコシは、Btコーンと呼ばれている。スターリンクは1998年5月、3番目のBtコーンとして商品化された。アグレボはその後、スターリンクの食用としての登録拡大を米国環境保護庁(EPA)に申請した。EPAは、通常行われる手続きとして、食用への用途拡大に関しての一般からのコメントを求めた。これに対して、環境保護グループなどがアレルギー試験データに問題があるとして異議を唱えていた。

2000年9月、食用としては未承認のCry9Cタンパクが、スーパーで売られているタコスに含まれていることが分かった。このタコスの皮を売っているメキシコの会社は、原料のトウモロコシ粉をアズテカ製粉から購入している。この製粉会社は、スターリンクを食用としては使用していない。非食用であるべきトウモロコシがどうして混入したかは不明であるが、米国トウモロコシ生産者協会によると、非組み換え品として生産から流通の末端まで厳密に区分けされているトウモロコシは、僅か9%に過ぎない。スターリンク以外の銘柄の種子からもCry9Cが検出されているという。従って、食用と非食用とを完全に区分けするのは元々無理であった。

環境保護グループは、サブリタ社製の全タコス皮の回収を要求した。EPAは、ヒトに対する安全性が確立されていないGM作物に関して、飼料用に限定して登録を認めることは今後行わないと発表した。アベンテイスは、2000年用トウモロコシ種子市場から、スターリンクを撤退させると共に、契約している全ての農家、種子企業及び穀物加工企業などに対して損害補償する意向を表明している。


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