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成体の体細胞を使ったクローン羊「ドリー」が誕生したことから、同じ哺乳類である人への適用の可能性について議論されるようになった。果たしてクローン技術を人に適用すると、何ができるのだろうか?

 子供ができない夫婦は、クローン技術によりどちらかの体細胞を使って子供をもうけることができるかもしれない。また、人の発生過程(受精卵から成体に到達する過程)の基礎的研究など、科学的研究にクローン技術を役立てることもできるかもしれない。

現在クローン人間は誕生しているのか?

2002年4月5日、イタリア人医師セベリノ・アンティノリ (Severino Antinori) が、クローン技術による妊娠に成功し現在8週間に達していると発表、2002年12月26日新興宗教団体ラエリアン教の関連企業である クローンエイド (Clonaid)のブリジット・ボワセリエ (Brigitte Boisselier) 博士が世界初のヒトのクローン赤ちゃんの誕生を発表したが、どちらもクローン人間であることは証明されていない。

ヒトクローン胚

ヒトクローン胚は、卵子の核を取り除いて、生殖細胞ではない皮膚などの体細胞から取り出した核を移植して作製される。これを特殊な方法で培養し、体細胞の持ち主と同じ遺伝子を持つ組織や臓器を作ることができれば、拒絶反応のない移植が可能になるといわれている。難病治療に多大な貢献を果たすものとして期待される一方、これを子宮に戻せばクローン人間づくりが可能にもなる。また、生命の始まりである胚を「道具」として使って良いのかという、生命倫理の観点から疑問も突きつけられている。

2004年10月23日、韓国人科学者の率いるチームが、ヒト・クローン胚を作り、そこから胚性幹細胞(ES細胞)を取り出し培養することに初めて成功した。糖尿病やアルツハイマーなどの疾病によって損傷した細胞の代わりに健康な細胞を移植する治療法を確立するうえで、大きな前進となる成果だ。

ヒトクローン胚研究に関して各国の対応は・・・

ヒトクローン胚の研究については、世界でも賛否が割れており、英国、中国、韓国、ベルギーなど8カ国が容認、フランス、ドイツなど14カ国では法律で禁止されている。米国ではブッシュ政権が禁止の姿勢を打ち出しているが、全米医師会は容認の方針で、民間資金による研究が進められている。


ヒトクローンの倫理問題

クローン技術を人に適用することは、男女両性の関与なしに子孫を生み出すことにつながる。そしてクローンは遺伝情報の提供者とほとんど同一の遺伝的形質を持つため、クローン技術により生み出される人の容姿、能力、性格等の表現形質をある程度予測することができる。さらに、特定の表現形質を持つ人を意図的に生み出すことが可能になる。そのため、クローン技術の人への適用に関して、次のような問題点が指摘されている。

・ 特定の目的達成のために特定の表現形質を持つ人を作り出すことは、生まれてくる人を手段、道具と見なすことにつながる

・クローン技術により生み出された人と男女の関与によって生み出された人との間に差別が生じる可能性がある

・生まれてくる人が安全に成長することが保証できない

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