クローン牛

受精卵クローン牛

受精後発生初期の細胞を使った初めてのクローン牛は、1987年にアメリカで報告された。日本でも受精後発生初期の細胞を使ったクローン牛の研究が進められ、すでに300例以上のクローン牛が誕生している。1998年6月には国内で初めてクローン牛の一卵性六つ子が誕生した。

体細胞クローン牛「のと」「かが」

1998年7月、近畿大学農学部が石川県畜産総合センターの協力により、ウシの成体の体細胞を用いたクローン牛「のと」と「かが」の誕生に成功した。これまでも、受精後発生初期の細胞を使ったクローン牛の例はあったが、成体の体細胞を使ったクローン牛の例は世界で初めてである。

親と同じ遺伝子を持つクローン牛が誕生したことから、肉質の良い牛や乳量の多い牛を大量生産できる可能性が出てきた。

クローンウシの安全性

「受精卵クローン」のウシはすでに食品として流通してる。受精卵クローン牛については、一般の牛肉と同様に、食品衛生上の検査が行われており、一般の牛のと畜検査結果と差はなく、国は、受精卵クローン牛の食品としての安全性に問題はないとしている。

一方、体細胞クローン牛の安全性については、現在、国が調査・研究を続けている。

表示について

国では、受精卵クローン牛は通常の牛と何ら変わらないとして、特別な取り扱いを義務付けてはいない。このため、受精卵クローン牛由来生産物(肉、乳等)を販売するにあたっての表示は任意となっている。任意で表示を行う場合には、「受精卵クローン牛」又は「Cビーフ」という通称を用いることとされている。

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