遺伝子診断の目的とは?

遺伝子診断は、病気の特定やあるいはかかりやすさを割り出す目的で使用することができます。
多くの病気が遺伝子の変異(異常)によるものだということがわかってきました。原因がわかれば発症前に予防することができます。また、重篤な疾患を持って生まれてくる可能性がある場合に、診断によって健全な遺伝子を持った受精卵を選別することもできます(着床前診断)。

また、最近では薬の作用は遺伝子や体質などによって左右されることがわかりました。つまり、ある人にはよく効く薬なのに他の人には効かないなど同じくすりでも個人の持つ遺伝子の差異やゲノム情報を元にした体質の差異によって効果に違いがあるため(副作用を含む)、個人の体質に基づいた投薬(テーラーメイド医療)が注目を集めています。従来は薬の量を年齢によって調節するだけでしたが、今後は遺伝子診断のデータに基づいた体質によって量・種類が選べるようになるため、副作用が少ない医療として注目されています。この分類にも遺伝子診断は用いられています。