遺伝カウンセラーとは

遺伝子診断を受ける患者は、診断に関する正確な知識を得たり、診断に対する不安に対処するために専門家の助言を必要としています。遺伝カウンセラーはそういった患者をサポートするために設けられた制度です。遺伝子診断が一般的におこなわれているアメリカでは、すでに遺伝子診断を受ける際のカウンセリングが当たり前になっています。日本でも、2005年4月から認定遺伝カウンセラー制度が設けられ、カウンセラーの養成にあたっています。


遺伝カウンセラーの変遷

遺伝カウンセリングの普及活動が日本で始まったのは1970年代からでした。当時はカウンセラーは医師が中心でしたが、1980年代からゲノム医学が発達し、遺伝子診断が実用化されると、遺伝性疾患の概念が大きく変わりました。従来の先天性の疾患だけでなくガンや生活習慣病までが遺伝カウンセリングの対象になったのです。遺伝カウンセラーには単に遺伝医学情報の提供だけではなく、患者の立場から問題解決を援助したり、心理的な対応技術が必要とされます。また遺伝カウンセリングが扱う内容には倫理的な内容が含まれるので医師とは独立した専門の遺伝カウンセラーが必要になりました。