各国の現状】

【日本】

近年、スギ花粉症を緩和する組換えイネ、耐塩性を付与した組換えユーカリ、青色の組換えバラが研究レベルで開発されました。これらは現在、環境への影響・安全性評価など実用化に向けた更なる研究が行われているところです。

【米国】

遺伝子組換え農作物の世界最大の栽培国であり、研究・開発においても世界の中心国です。

【EU】

2004年から、遺伝子組み換え農作物の導入に向けて動いており、栽培国も増加傾向にあります。

【その他の国】

・中国:ワタなどの遺伝子組換え農作物の栽培面積が急増するとともに、イネなどの遺伝子組換え農作物の研究や開発が米国をしのぐ勢いで進んでいます。

・インド:害虫抵抗性ワタの作付け面積が2004年に比べ約3倍(130万ヘクタール)で、前年比の栽培増加率は世界最大です。研究機関では、パパイヤ、ワタ、バナナなど10種類以上で遺伝子組み換え農作物の実験が行われています。

・イラン:害虫抵抗性イネが世界で初めて2004年に公式で販売され、数百人の農業従事者により2005年には、遺伝子組換えイネが約4,000ヘクタールの農地で栽培されました。2006年の完全商品化を目指して種子を生産しています。

・国際イネ研究所(在フィリピン):イネの遺伝子の機能解明を促進するなど、新たな品種開発に向けた各国との共同研究を実施しています。最近ではβ-カロチンを豊富に含むイネの実用化に向けて環境への影響や安全性などの研究が行われていることが知られています。

・その他:遺伝子組換え農作物の研究・開発を行っている国は世界60ヶ国以上ともいわれ、今後各国において、生産および研究・開発がさらに進むと予測されています。また、燃料などの作物資源、医薬品として、遺伝子組換え農作物の導入が進むことも推測されています。