「プロトプラスト培養」



・プロトプラスト培養


骨格を持たない植物は、細胞の1つひとつに細胞壁をもつことでその体勢を保っている。
この細胞壁を取り除いた裸の細胞を「プロトプラスト」と呼ぶ。プロトプラストを培養し、植物体を再生することをプロトプラスト培養と呼ぶ。

日本では、1971年にタバコの葉肉プロトプラストから植物体を再生させて以来、数多くの植物種でプロトプラストからの再生植物(プロトクローン)が得られている。

プロトプラストからの再生植物は、新品種や新系統の作出に利用されている。すでに新品種や新品種候補のできているジャガイモや稲はもちろん、プロトクローン変異の多かったキクやメロン、他の多くのプロトクローンでも、本格的な新品種育成への活用が、今進行中である。

バラバラな一つひとつの細胞にしてから再度植物体を復元するこの技術は、植物の整理・生化学、発生学などのすべての基礎科学への利用はもとより、育種学や病理学などの応用場面にも有効に利用できると期待されている。