リスクの予想ができない
バイオ市場は、将来性を数値化しにくい上、大ダメージに繋がりかねない「予測不可能なリスク」が数多く
潜んでいる。予測できないリスクの筆頭に挙げられるのが医療分野に関係する「規制」である。医薬品や医
療機器は元々製造・販売に多くの規制が絡んでくるが、特に新しい市場が開かれるタイミングでは規制の動
向が問題になる。最近の例では再生医療が挙げられる。厚生労働省や医薬品診療機器総合機構の審
査の方針が固まるまで長い時間が必要となるため、開発済みの技術をすぐに実用化できないのである。その
他に、薬品の副作用(トリプトファン事件など)や社会の受容なども予測が難しいリスクだと言える。
他業種に比べ予測不可能な環境変化が起こりやすいバイオビジネスにおいては、市場の変化を常に観察
し、目標をフレキシブルに変えていくことが重要だという。