A遺伝子組み換え食品の開発は、人口増加に伴う食糧危機の対応策となる。

国連は、1990年から2020年の間に世界の人口は45%増えると計算している。
そのほとんどは発展途上国に集中していて、食料も不足する事が予想される。
発展途上国では、人口増加に対応するため新たに耕地を切り開いている。
新たな耕地が切り開かれるたびに、木々が切り倒され、環境破壊が進み、野生生物の絶滅にも拍車をかけている。

それに対して組み換え作物は耕地を増やさなくても、害虫や病気に強いものを作ることによって確実に生産量を増やす事が出来る。
組み換え作物の第1弾は害虫に強く、収穫量を上げて生産者を助けるタイプが中心だった。

今後はビタミンや食物繊維を多くするなど、消費者に直接メリットをもたらすものや、
栄養や薬の成分など量産できない物質を作るものが開発されるだろう。
組み換え作物は発展途上国の食糧問題の解決に大きく貢献できる。
例えば、ビタミンAのもととなるカロチンを多く含むナタネが出来れば、ビタミンA欠乏症で苦しむ約8億人の役に立つし、ウイルスに強いサツマイモが出来れば、栄養不良の問題を抱える国の役に立つだろう。

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