@遺伝子組み換え農作物は農薬・害虫に強い。

現在、作物には病気と害虫と雑草という3つの敵がある。
これに対して、いままでは品種改良という方法をとっていたが、品種改良をするにはどうしても長い時間が必要になる。

これに対して組み換え作物は、病気や害虫に強い遺伝子を組み込むだけで、短い時間で確実に問題が解決できる。
農薬に強い組み換え作物とは、ある土壌細菌の一部を切り取って、ダイズやナタネなどの細胞の遺伝子に組み込んだものである。組み込まれた遺伝子によってある酵素が作られ、それが特定の除草剤の作用を失わせるため、その除草剤を撒いても作物は枯れない。雑草は、その酵素を持っていないので枯れてしまう、という仕組みだ。

現在は、作物と雑草の種類にあわせて、いくつかの除草剤を数回にわたって撒いている。
どんな植物にも作用する除草剤を撒けば、除草剤の量と撒く回数は減らす事が出来るが、作物自体も枯れてしまう。これに対して組み換え作物は、除草剤の影響を受けないため、除草剤の量と撒く回数を減らす事が出来る。これらの作物は雑草化しにくい性質に改良されているが、万が一雑草化しても、特定の除草剤が効かない事意外は他の雑草と変わらない。
そのため、機械で刈り取ったり、他の除草剤を撒いたりするなどごく普通の方法で除草できる。
害虫に強い組み換え作物とは、害虫の天敵である微生物(例:BT菌)の遺伝子の一部を取り出し、農作物に組み込んだものである。組み込まれた遺伝子によって、たんぱく質で出来ている殺虫毒素が作物の全細胞に作られる。そのため、ガやチョウの幼虫など特定の種類の害虫がそれらを食べると死んでしまう。よって、害虫の被害を受けにくくなる。

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