D遺伝子組み換え技術は、特定企業による農業支配が起こる恐れがある。
現在、遺伝子組み換え作物を開発しているのは先進国の一部の企業である。 それらの企業は、自分たちが開発した組み換え作物の種子、販売権、特許などを持っている。 もしこのまま遺伝子組み換え作物が世界中に広まっていけば、これらの企業が世界中の農業を支配してしまうだろう。
遺伝子組み換え作物は、自然の植物と混ざらないように勝手に繁殖できないように作られている。 世代を残す能力、つまり種を作る能力がないのだ。 そうすると、農家は種を入手するために毎年企業から種を買わなければならない。 種を持つ企業は価格や販売をコントロールし、世界の農業を支配する事になる。
実際、この分野のトップに立つアメリカの化学企業は技術特許を持つ会社や種の販売会社を次々に買収し、 技術と販売の両方を独占しようとしている。
これに対して24のアフリカ諸国は「巨大多国籍企業によって、われわれの国々が貧しさと飢えのイメージとして使われ、 安全でも環境にやさしくもなく、経済的にもわれわれに利益のない技術を押しつけようとしている。」という声明を国連に提出している。