まとめ

アメリカがEUをWTOに提訴したことによる結論は未だ出されていない(2005年3月末予定)ものの、実質的に問題となっていた遺伝子組み換え作物・食品の新規承認については、2004年5月に食品としてのGMスウィートコーンが承認されたことで一応の解決をみた。しかし、そのGMスウィートコーンの承認をめぐっては、EU各国の意見が割れたため、閣僚理事会では承認も拒否も決められなかったが、EU政府たる欧州委員会が、”職権”で承認するという形で行われたという背景があり、未だこの問題については意見の一致が見られているとは言いがたい。その状況から鑑みてもEUの各国の実際に市場に入るまでには、今後もさまざまな問題が起こると予想される。