Mouse cloned to cure Parkinson's
パーキンソン病を治すクローンマウス

BBC News Online

2003,9.21

クローンマウスの胚からとられた細胞が人間のパーキンソン病に似ている状態を治療することに成功した。

胚の「幹細胞」はマウスの脳に植えつけられた新しい組織へ育つと、Nature Biotechnology誌に掲載された。

しかしながら人間の治療法には多くの障害が立ちはだかっていると専門家は言う。

5日目の胚からとった胚の幹細胞はすべて同じだけれども、生化学的に正しい条件におかれたとき、
体の中でどんな細胞のタイプにも変わりうる能力を持っている。

Perfect match 完璧な組み合わせ

クローン胚を使うことの利点は、細胞が臓器移植を受ける側にとって完全な遺伝子的一致をするということで、
そのことは免疫システムを抑制するという、余計な治療の必要性がなくなるということである。

しかしながら、クローンテクノロジーを使うことは、治療のためであっても、いまだ論争上にある。
この研究において、どんな胚を使うかということが問題になっているように。

Tail cells しっぽの細胞

細胞はマウスのしっぽからとられる。
そして遺伝的物質が採取され、クローン胚を作りだすのに使われる。

幹細胞はこれらからとりだされ、実験室の培養で、体内の化学物質がゆっくりと
パーキンソン病のマウスに欠けている脳細胞のタイプになるように「促す」。

選び出したものをマウスの脳に植え戻し、変化があるかどうか見る。
研究者はマウスの症状が消えたのを発見した。

stem cell and Tumor Biology Laboratoryのリーダーで、この研究の第一人者である
Lorenz Studer氏は次のように語った。
この研究は、クローン胚幹細胞はいろんな有用な細胞タイプに確実に変わりうるという「原則の証明」である。
パーキンソン病だけでなく、ほかの多くのタイプの病気にも応用できる可能性がある。

しかしながら、彼のチームはまだ人間の研究に移るにはまだ道のりは遠いという。
克服すべき科学的、政治的障害がまだあるからである。

彼は言う。同じことを人間でできるかどうかはわからない。
論争上にあるが、実際は不可能かもしれないということを示している研究もある。

しかしながら胚の幹細胞はそのような移植には一番適当な材料源である。

胎児の組織は(いくつかの実験では使われているが)手に入りにくいし、いわゆる「大人の幹細胞」は
15年にも渡る研究にもかかわらず、脳細胞の適切なタイプに変化しなかった。


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