MADELEINE BRINDLEY

WALESS ROLE IN GM FOOD DEBATE THAT DIVIDES THE WORLD

マドレーヌ・ブリンレー

「世界を二分するGM食品論争におけるウェールズの役割」

Financial Times Information

2002,12.27

遺伝子組み換え食品は、賛成派、反対派双方から強い反応と議論を引き起こしている。

多くの人々に支持されている圧力団体は(ウェールズ消費者審議会調査では65%の人がGM食品を避けるべきだと考えていることを明らかにした)GMは環境だけでなく、農業、経済、最終的には人間の健康までにも知られざる脅威となると言っている。

一方、GM支持者は、その技術は農業を大革命する能力をもっており、最終的には消費者にとって、より栄養があり、より安全な食品になり、過去50年の現代農業全体を変える農業技術の発展だと信じている。

アメリカのダイズはほぼGM作物だが、アメリカの会社や政府の圧力にもかかわらず、ヨーロッパ連合はアメリカからダイズを輸入しない姿勢をとっている。ザンビアでは飢饉の恐れがあるにもかかわらず、GMトウモロコシを含んでいるという理由でアメリカの食品援助を拒絶した。

アメリカ政府はGM支持者でも反対者でもないとはっきり述べており、潜在的リスクも利益も認識している。GM食品の安全性に深刻な疑いがあったら、GM食品の生産を認可しないという一方で、農業規模のGM実験を認めている。

ウェールズでは非GMであるということを誇りにしてきたが、陰ではGM実験を支持している。グラモーガン大学のバイオテクノロジーの先駆者Denis Murphyは「結局、議論はイギリス水準で決められる。もし、イギリスがGMを進めたら、ウェールズも進めなくてはならないだろう。」と言う。

中央、及び西ウェールズ地方のThe Conservative AM は次のように言う。

「私達はウェールズを非GMとして宣伝して、そこから最大限の利益を確保したいので、ウェールズにはGM食品は欲しくない。しかし同時に、GM生産される前から長い期間、GM食品の調査が必要であり、必然的に調査はイギリス全土で行わなければならない。」

この2つの分かれた意見で共通なものがある。GMは急ぎすぎているということだ。

ナタネアブラナのGMを研究しているMurphyは「GMはあまりにも早く紹介されすぎたために、大衆の反発をかっていると思う。」と言う。Friends of the Earth のGM運動家Adrian Bebbは「全ての様々な問題の中でひとつの大きな問題は、テクノロジーが商業主義の圧力によって推し進められ、基本的な安全性に対する疑問が問われず、ただ答えが出るに任せているということである。」と言う。

操作されたGM作物による環境への影響も問題になっている。

Bebbは「イギリスでは農場規模のGM実験があるが、その政策はこのテクノロジーを田舎に押しやって何が起こるか見てみようと言っているかのようだ。」と言う。

一方、Murphyは「最近のテクノロジーは進歩し、抗生物質使用に代わる方法で新種の作物を作り出すことができるようになった。ここ50年で動植物の育ち方の認識は変わってきた。GMはその論理的な進歩だ。」と言う。

GMはすべての問題の答えではないが、私達がそのテクノロジーから得られることの一つは、よりよい味で、よりやすく、さらに栄養のある食物であるということだ。

人々がGMを買おうと興味を持った時、GMについてもう一度考えてくれるだろうと信じている。


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